【芸能】「最年長で、中学生メンバーから“おばさん”と…」元NMB48の高野祐衣(28)が振り返る、アイドル時代に直面した“厳しい現実”

【芸能】「最年長で、中学生メンバーから“おばさん”と…」元NMB48の高野祐衣(28)が振り返る、アイドル時代に直面した“厳しい現実”

【芸能】「最年長で、中学生メンバーから“おばさん”と…」元NMB48の高野祐衣(28)が振り返る、アイドル時代に直面した“厳しい現実”

 日本の女性アイドルは、若くして「引退」や「卒業」の選択を迫られる。“神7”と呼ばれ、AKB48の人気を不動のものに押し上げたメンバーも、グループ卒業時の平均年齢は24.5歳だった。一般企業ではまだ若手とされる年齢で、キャリアに区切りをつけなければいけない彼女たちはその後、どんな人生を歩むのだろうか——。

 元NMB48高野祐衣さん(28)は、2021年に所属していた芸能事務所を退所し、「日本酒専門酒屋のオーナー」へと転身する。17歳の時にNMB48デビューした彼女は、21歳で同グループを卒業するまで、アイドルとして目まぐるしい日々を送っていた。その中で、自身の引退や卒業に、どんな思いを抱いていたのか、話を聞いた。(全2回の1回目/2回目に続く)

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日本酒を取り扱う実店舗を西浅草にオープン

――2021年に芸能事務所を退所し、2022年1月から日本酒専門酒屋「ゆい酒店」のオーナーになりました。オリジナル日本酒を作るクラウドファンディングも、目標額280%超えで達成したそうですね。

高野祐衣さん(以下、高野) 先日、無事にオリジナル日本酒「あべとゆいと」が完成しました。私好みのフルーティで爽やかな味に仕上がりましたよ。

 このオリジナル日本酒のほか、私がセレクトした日本酒を取り扱う実店舗を、2022年7月16日、西浅草にオープンします。

アイドル時代のファンが今もサポート

――クラウドファンディングは、どんな方が支援を?

高野 日本酒好きの方はもちろん、アイドル時代から応援してくれているファンの方々からもサポートしていただきました。

 NMB48を卒業してから7年も経つのですが、今でもファンの方々の存在は私の支えになっていますね。

――高野さんがNMB48の2期生としてアイドルデビューしたのは、2011年ですよね。もともとアイドルに憧れていたのでしょうか。

AKB48の握手会に参加したときの出来事

高野 「アイドルってかわいいな」とは思っていました。オーディションを受ける前は、AKB48の握手会にも参加したことがあるんですよ。

 確かその時は、大島優子さん、宮澤佐江さん……あと恥ずかしくて今まで隠していたんですけど、NMB48の1期生である山本彩ちゃん、渡辺美優紀ちゃんとも握手しました(笑)

 握手会で会うと、みんなテレビや雑誌で見るより何倍もかわいくて。「アイドル、めっちゃかわいい~!」って感動しましたね。ただその当時は、自分がなりたいとまでは思っていませんでした。

オーディションに合格したときは嬉しさが爆発

――ではなぜアイドルに?

高野 身近な友だちがNMB48の1期生のオーディションを受けて、選考に進んだんですよ。デビューはできなかったんですけど、惜しいところまでいったみたいで。

 その友だちからオーディションの話を聞いた数か月後くらいに、2期生の募集が始まったのを知って、「私もノリで受けてみようかな」と。

 最初は「どうせ受かんないでしょ」と軽い気持ちだったのですが、選考が進むにつれて「ここまで来たら受かりたい」と思うようになりました。当たり前なんですけど、選考が進むと人数が絞られてきて、顔見知りになったり、友だちになったりする子もできてくるんですね。そうすると「あの子と一緒に受かりたいけど、負けたくもない」と競争心が芽生えてきて。

 最終審査では、AKB48の曲「ポニーテールシュシュ」のダンスと歌のレッスンを1週間受けてから、審査員の前で披露しました。審査期間が長くて大変でしたが、合格した時はものすごく嬉しかったですね。私はあまり感情が表に出るタイプではないのですが、この時ばかりは嬉しさが爆発していたと思います。

――確かに、高野さんは落ち着いているイメージがあります。

高野 負けず嫌いなんですけど、うちに秘めているタイプです(笑)。だから周りからは、「上に行くために頑張っている」と思われていなかったかもしれません。

 本当はもっと上を目指しているのに、それを表に出せないんですよね。ひねくれ者で、負けず嫌いです。

――それでも、NMB48在籍中は順調にステップアップしていきました。

SNS2ちゃんねるエゴサする毎日

高野 順調……とまでは言えないかもしれませんが、研究生になってすぐに劇場公演のメンバーに選ばれたんです。その後しばらくしてチームMに加入し、シングル曲の選抜メンバーにも選んでいただけました。

 でも、キャラや個性がはっきりしている子ばかりのメンバー内で、自分の強みがわからなくてずっとモヤモヤしていましたね。当時はチームの中で最年長だったので、“お姉さんキャラ”ではあったのですが、リーダー的な役割が得意なわけでもなかった。

メンバーには負けたくない。でも、自分がほかの人に勝てるところがわからない」と思い悩んでしまって。ファンからどう見られているのかも気になりすぎて、握手会や劇場公演が終わった後は、毎日のようにSNS2ちゃんねるエゴサをしていました。

 自分の名前を検索して、良い意見を見つけるとホッとしていましたね。今考えると、アイドル時代は心が休まる瞬間があまりなかったなと思います。

卒業を決めた理由は「上に行きたいと思わなくなったから」

――2015年NMB48を卒業したのは、「休みたい」と思ったからでしょうか。

高野 いや、「上に行きたい」と思わなくなったからです。日々のレッスンがきつくても、自分のキャラに悩んでいても、「負けたくない」「もっと上に行きたい」と思っている間は頑張れました。でも、最後のほうはそういう気持ちがなくなってしまったんですよね。

 そうすると、常に周りと比べられる環境が、どんどんしんどくなってしまったんです。例えば握手会は、参加メンバーが70人いたら、1位から70位まで全て順位が出て、自分の人気がリアルタイムで可視化されるんですよ。モチベーションを保てない中で、そんな競争の世界に身を置き続けるのは辛いなと。

 あとは、年齢のことも考えましたね。当時のNMB48の中で私は最年長で、中学生メンバーからは「おばさん」とからかわれることもあって(笑)

 私がNMB48に合格したのは高校3年生、17歳の時ですが、入った時点で漠然と「数年で卒業しなきゃいけないんだろうな」とは思っていました。

――卒業した時の年齢は21歳ですよね。世間一般の同世代はこれから自分の将来を考えるという人も多い中で、次のキャリアを考えなければいけなかった。

高野 アイドルのキャリアは、すごく短いんです。それなのに、「芸能活動以外で自分にできることがわからない」という子は少なくない。特に、小学生中学生の頃からアイドルをしている子は、学業や部活、友だちと遊ぶことよりも芸能活動を優先してきたから、アイドル卒業後は悩むと思います。

「元NMB48」の肩書きはすぐに使えなくなって……

――ご自身はNMB卒業後、タレントとして芸能活動を続けます。

高野 高3でアイドルデビューした私ですら、芸能界以外の選択肢がわからなかったんですよね。でも、決して消去法タレントになったわけではないので、気持ちを新たに頑張りたいと思っていました。

――タレントとしての活動方針などは考えていたのでしょうか。

高野 NMB48の頃は一番年上ということもあって、MCを任されることが多かった。その時に「人前でしゃべるのは好きだな」と思っていたんですよね。だからタレントになって、バラエティ番組のMCや、芸人さんのアシスタントをしたかったんです。

 タレントに転向した直後は、「元NMB48」の肩書きでお仕事をいただいていました。でも、その肩書きはすぐに使えなくなったんです。AKBグループの卒業生はたくさんいるから、徐々に周りと差別化できなくなってしまった。

 NMB48の時から自分の個性や強みがわからなかった私は、そこで壁にぶつかってしまって……。事務所の人にも、「何か強みを作ったほうがいいよ」と言われていました。

夢中になれるものが見つからない中、勧められた日本酒の仕事

――それで、日本酒を強みに?

高野 いや、日本酒にたどり着くまでにも紆余曲折ありましたね。最初はスポーツを強みにしようと思ったんです。学生時代はバドミントンをやっていて、大阪府の大会で優勝したこともあるし、体を動かすのは好きだったから。タレント活動と並行して、筋トレをしたり、ボルダリングをやったり……。私のInstagramを見返すと、鍛えている画像をひたすらアップしている時期がありますよ(笑)

 でも、仕事につなげられるほどの“スポーツ好き”ではなかったんですよね。SNSへの筋トレ投稿も毎日は頑張れなかったし。そもそも芸能界には、スポーツ好きの人がたくさんいて、ライバルも多かった。

 その後もいろいろやってみたけど、心から夢中になれるものも、誰にも負けない“自分だけの強み”と呼べるものも見つかりませんでした。そんな中、当時お世話になっていたスタッフさんが勧めてくれたのが、各地の酒蔵をめぐる日本酒のお仕事だったんです。

写真=三宅史郎/文藝春秋

元NMB48のアイドルはなぜ「酒屋のオーナー」になったのか? 高野祐衣(28)が明かす“異例のキャリアチェンジ”を決めた本当の理由 へ続く

(仲 奈々)

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高野祐衣さん ©三宅史郎/文藝春秋

(出典 news.nicovideo.jp)


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